ブログ / 日々のこと

Posted on 2014-03-31
失敗にめげず、成功に向かって数を打とう! 佐藤雅彦『ピタゴラ装置』

前回、佐藤雅彦さんの「ピタゴラ装置DVDブック1」について書きました。

毎回違うアイデアにびっくり! 佐藤雅彦「ピタゴラ装置」

ピタゴラ装置

この本で、もう1つグッと来た話がありまして。
それは、動画制作のプロセスです。

この動画、「装置合宿」と呼ばれる5日間で作られるそう。
合宿の1か月ほど前から5チームくらいに分かれ、アイデアを競い合い、
面白いものを作り上げていきます。
いざ合宿になり、初日は搬入と買い出し、2日目から制作が始まり、
4日目までに各チームで最終調整やカメラテスト。
そして、いよいよ5日目が撮影本番!

けれど、どんなに準備しても、撮影でスムーズに成功した装置は1つもないとか。
照明によって温度が変わり、金属のレールの微妙な角度や、接着の具合が狂いだし、
誤動作が発動するんだそうです。

その様子について、このように書かれていました。
(読みやすいように、適当に改行を入れてます)

我々の日常には、奇跡はなかなか起こりません。ましてや、15分の番組の中で2つも3つも起こるのは尋常ではありません。
では、それが実際起こっているのはなに故でしょうか。
私や研修生達は、この奇跡に見えなくもない装置を構想するのにあたって、あることを覚悟したのです。

それは「数」です。

現場で起こるであろう失敗の数の多さです。
現場で起こるであろうカメラマンや照明の方などのプロのスタッフからの叱責やプレッシャーの「数」です。

今では、撮影のテイク数の多さも現場のスタッフに理解されていますが、始めた当時は、テイク30も超えると、スタジオ内にかなりの緊迫感が走ります。
テイク50を超えると、怒りを含んだ空気がスタジオに充満します、一触触発の胃が痛くなるような失敗が続く時間が流れます。
テイク70を超えると、緊迫感を通り過ぎ、到達点のないあきらめと嘲笑めいたものまでがかすかに生まれてきます。

しかし、佐藤研はあきらめません。
このピタゴラ装置が番組に入った時のことを考えると、たとえテイクが100を超えようと成功に向かっていこうという気がおきるのです。
(現場の皆さん、いつも迷惑かけて本当にすみません)

テイク70とは!
ああ、現場のため息や失笑が聞こえてきそうです(笑)

あの数十秒の動画に、どれほどの時間、労力、お金がかかっているんでしょう!
どれだけの失意、奮闘、集中、不屈、そして涙と喜びが詰まっているんでしょう!

周囲からの大きなプレッシャーを受けつつも、
成功に向けて、自分たちを信じてあきらめずに走りぬいていく佐藤雅彦さんの姿、
やーーっぱり励まされますねぇ。

仕事でもやりたいことでも失敗ってたくさん起きます。

けれど、それにめげず、成功を信じて数を積み重ねていく生き方、
その結果として生まれる作品のすばらしさを
「ピタゴラ装置」のDVDと本の両方で見せてもらった気がします。

失敗に落ち込んでいるヒマなんてありませんね。
頭と気持ちを切り替えて、未来に向かって次々行きましょう!

【参考情報】

ピタゴラ装置DVDブック1

【アイデアに興味があるならこちらの記事も】

毎回違うアイデアにびっくり! 佐藤雅彦「ピタゴラ装置」
「アイデアを思いつくには…」佐藤雅彦さんの受賞インタビューが面白い
『マインドマップ・リーダーシップ』のセミナーでブザン氏に会った
アイデアはスピードと量が命! 小さな失敗ならすぐに手放せる
どの仕事にも役立つデザイン書:佐藤オオキ「ウラからのぞけばオモテが見える」
アイデアに煮詰まったら、書を捨てよ、道へ出よう


Related Posts

 

Comment





Comment