poetry
Posted on 2013-03-08
言葉は駆け抜ける汽車
言葉は、線路のない道を駆け抜ける汽車。
私という駅を通過し、
あなたという駅へと向かい、
また別の誰かへと走る汽車なのです。
客席には、
1度も楽譜を書いたことのない大作曲家がいます。
生まれて間もないのに饒舌な赤ん坊がいます。
国、家来、領土を持たずに大衆を治める王様がいます。
貨物列車には、
2千年前に採集され、死を知らない蝶たちの籠があります。
どんなに切っても、刃こぼれしない剣があります。
土、光、水がなくても発芽する種が積まれています。
駅員は、乗客と貨物を安全に輸送するために、
ドアの出入りを監視しています。
けれど私の願いは
あなたの駅に画家が飛び降り、誰にも見えない落書きをしてくることです。
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