ブログ / 日々のこと
Posted on 2014-03-03
遊び心満点の「ぐりとぐら展」。作家が世に出るプロセスって面白い!
「大人の考えを押しつけるのではなく、子どもの側から発想できる」ことが
当時、斬新だった
「ぐりとぐら 」「いやいやえん
」「そらいろのたね
」など
中川李枝子さんと山脇百合子さんの作品は、
子どもの頃、とても惹きこまれた絵本や童話ですね。
「いやいやえん」今でも大事にとってありますよ!
もうボロボロですが…。
日曜日ということもあり、会場はものすごい人出でした。
私と同年代の方がお子さん連れでいらしている感じでしょうか。
私の両親くらいの方もいらしていたかな。
山脇百合子さんの原画がたくさん展示され、見応えがありました。
原画って、作家の息吹を感じますよね。
そのときの勢いというか、気持ちというか…。ああ、よかったなあ。
ぐりとぐら、最初の作品は初々しい感じの絵なんですが、
続編を重ねていくうちに、腕が上がるんでしょうね、洗練されていくんです。
そのプロセス…とても面白かった!
展示、展覧会図録、チケット…それぞれに仕掛けがあって遊び心を感じました。
例えば図録は、2冊セットになっています。
1冊が展示されている絵がまとまり、もう1冊はインタビュー記事がのっています。
それぞれの見返しが、ぐりの青色とぐらの赤色!
1冊にもまとめられたし、その方が経費がかからないんじゃないかと思うけれど、
2匹をイメージして分冊にしたんでしょうね。
図録のインタビューも非常に興味深い内容でした。
ぐりとぐらを発想したきっかけ、作り手の裏話、
「ぐりとぐら」を世に出した編集者の話、宮崎駿さんとの対談など。
1つの作品がどうつくられ、それがどう世界に出ていくかが書かれていて、ワクワクしました。
今では大人気の「ぐりとぐら」ですが、
発売当初は否定的な意見もあったそうです。
作家も絵描きさんもまだ若く、見方によっては素人だとすぐにわかります。だから、子どもは間違いなく喜ぶだろうけど、幼児教育に携わる先生や保護者の理解は得られないかもしれない、と。実際、読者の方からは美術的な観点からみれば大したことのない絵を、なぜこんな立派な絵本にするんだと言われたりもしました。当時、絵本というのは美術作品だという固定観念があり、もちろんそれは間違いではないのですが、その枠から外れたものが認められにくかったのですね。
「ぐりとぐら」を世に送り出した編集者 松井直 インタビュー
「ぐりとぐら」展図録より
当時って、絵本=美術作品…という枠が厳しかったようです。
それでも編集者の松井さんは、
中川李枝子さんの「大人の考えを押しつけるのではなく、子どもの側から発想できる」点を高く評価。
新しい児童文学を生み出す可能性を感じてサポートしたそうです。
イノベーションが起きるきっかけって、こういうことかもしれませんね。
チケットは卵形!
ぐりとぐらといえば、卵でカステラをつくる話が有名ですが、
あの卵です!!
しかも半券を切ると、リスが出てくるというデザイン。
(かわいすぎる~)
展示も思わずニヤッとしてしまう仕掛けもあって、特にお子さんは楽しいでしょうね。
「ぐりとぐら展」、松屋銀座にて2014年3月10日までです!
興味のある方、ぜひぜひどうぞ♪
【参考情報】
誕生50周年記念 ぐりとぐら展
いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)
ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)
そらいろのたね(こどものとも絵本)
【童話に興味のある方はこちらの記事も】
Posted in ブログ, 日々のこと | No Comments »
Related Posts