ブログ / 日々のこと
Posted on 2014-03-30
毎回違うアイデアにびっくり! 佐藤雅彦「ピタゴラ装置」
クリエイターの佐藤雅彦さんの「ピタゴラ装置DVDブック1」を読みました。
正確にいうと、本についていたDVDを見てから、本を読んだのです。
NHKで「ピタゴラスイッチ」という番組がありますが、
最初や最後に「ピタゴラ装置」なるものを使った数十秒の映像があります。
非常に複雑な仕掛けがされていて、
基本的には、ビー玉のようなボールがあちこち行ったり来たりしながら
ゴールにたどりつくと、「ピタゴラスイッチ」という看板が出るもの。
この総集編のDVDでした。
いや~~~。この遊び心満載の数十秒にびっくりしました!
いいのは、機械的・直線的じゃないこと。
ビー玉やボールなどの小物が、ふらふらと動き、
きわどいタイミングをつかんで、最後のゴールにたどりつくんです。
この人間らしい動きに感動してしまいました。
そして、発想から撮影の成功に至るまでの苦労を考えると
胸がジワジワするというか…。
「よくがんばったなあ」とじんわりしちゃうのです。
前回のブログに載せた佐藤さんのインタビューにもありましたが、
「毎回ジャンプすること」を本当に実践されているな~と。
すばらしいですねぇ。
本には、1つひとつの解説が書かれていて、それも非常に興味深かったです。
面白いなと思ったのはこの部分。このコーナーができたきっかけです。
(読みやすいように、適当に改行入れました)
15分というけして長くはない番組の中にいくつもコーナーがあるのは、いろんな考え方を伝えたいというのが一番の理由ですが、
その他にも、対象となっている幼児は、まだ、ひとつのテーマを長く見続けることができないので、
飽きない程度の長さが必要ということで、あのたくさんあるコーナーのもうひとつの大きな理由です。しかし、各コーナーの内容が少しずつ見えてくるに従って、あまりにひとつひとつのコーナーに特徴がありすぎ、
ばらばらの印象を与え何の番組かわからないことになりはしないか、という危惧を持つようになってきました。
さらに、考え方に言及するコーナーばかり模索しているあまり、そんな表現が見ている人に窮屈さを感じさせるのではないかという心配も生まれました。
作っている僕らにも、その窮屈さは、ひしひしと迫ってきているのを感じました。そんなある日、意味もなく、ボールが勢いよくレールや板の上を転がって進む映像が浮かびました。はらはらの連続の中、あれよあれよという間に次から次へと待ち構える難関をくぐり抜け、見事にフィニッシュを決める。
そして、フィニッシュの瞬間は、旗が立ち、サウンドロゴが流れる。
しかも、この装置のような映像を番組の間々に入れることで、この番組が何という名前の番組であるかをコールすることが可能だと気づいたのです。
さらにこの映像を入れることで、今まで企画してきたコーナーの羅列による窮屈さを払しょくできる、ということもわかりました。
しかも、番組を見て、この装置を作りたくなったお父さんやおじいちゃんがいたら、道具は身の回りにあるのです。そこできっと創意と工夫が生まれるはずなのです。
このアイデアが生まれる瞬間話って、いいですよね!
こういう話を読むと、すごくワクワクします。
直接何かに影響はしないけれど、自分の仕事や人生の背中を押してくれるナニかが
ありますよね~。
【参考情報】
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