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Posted on 2014-04-10
契約書って、そんなに難しくなさそう  「契約の教科書」福井健策

契約書と聞くと、どんなことを思い浮かべます?

「なんだか難しそう…」
「面倒くさいなあ…」
「あの、甲とか乙とかいうヤツでしょ?」
「書面がなくたって、お互いの信頼関係さえあれば…」
と思う方、多いのではないでしょうか?

実際、私はそう思ってました。

ですが、仲間から
「個人事業主は、契約書は自分でつくったほうがいいよ!」
「基本がわかれば、そんなに難しくないから」
「契約前にきちんと読みこんで、不利にならないように直そう」
と言われたのですね。

そして、初心者はこの本をと、すすめられました。

ビジネスパーソンのための契約の教科書 (文春新書 834)

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えー、難しそう! 私に読めるだろうか?
と思いきや、読み始めたら非常に面白い。
全然かたくありません。

一般の人が興味をひくように、筆者が分かりやすく説明してくれています。
ネット上の「同意する」クリックの話や、
「ウルトラマン」の海外での独占利用権問題、
you tubeのサービス規約の件、
などなど。

身近にある話から、契約とは何かをひもといており、
私のようによく知らない人でも理解できるように書いてあります。

なるほどと思ったのは、
契約書が自分たちに不利だったときのアメリカ人と日本人の考え方の違い。

もちろん、種子が不明確な条文なら問い合わせて、明確に書き直してもらうのが当然です。
ただ契約書の意味ははっきりしている場合、
そしてそれは自分たちにとって圧倒的に不利な場合、アメリカ人であればとるべき行動は明確です。

彼らの多くは「この条件は困るので、こう変えてくれ」とはっきり伝え、
「交渉」しようとするのです。

しかし日本側は、国内契約だったら絶対に一蹴するような条件でも、
「一蹴」や「交渉」ではなくしばしばこの「問い合わせ」をやります。
何を問い合わせるか。一言でいえば相手方の「真意」を問い合わせるのです。

問い合わせると相手方は、
「我われはしかじかの理由でこうした条文にしている。
が、念のためこうしているだけであって、悪いようにはしない」
といった説明をしてくることが多いでしょう。

すると、日本側はしばしばこの説明で納得するのです。
「納得したがる」というほうが正確かもしれません。
時には、自分たちで理由を見つけ出して補充してでも「納得」します。

(読みやすいように、適当に改行しました)

アメリカ人は利害は対立していることを前提に自分の立場を主張して妥協点を探るのに対し、
日本人は「相手に悪意はないよね?」ということを確認したがるようです。

この日本人の心理、非常に分かりますねぇ。

でも、たとえ悪意がなかったとしても、
時間がたち状況が変われば、人間の心理は変わるもの。
するとどの人も、過去の記憶をまげて自分のよいように考えるものなんですよね。

私自身、個人事業主として仕事を始めてから
「契約書」を作らずに仕事をやることが多かったです。
たいていは何の問題もないのですが、
「契約書」がないために、後から「話が違う!」という苦い経験をしたことがあります。

でも、無知の状態のままで終わらせていてはいけないですね。
この本を読むと、契約に関して、そんなに難しく考える必要はない気がしました。

契約書関連に強い仲間からも
「最低限、守ってほしいものだけでよく、簡易なものでいいから
まず作ってみようよ」と言われ、背中を押されましたよ。

今回、この本を読んだことをきっかけに
まずは簡単なところから契約書をつくって、使ってみようと思います。

小さいところから慣れていけば、大きな仕事のときも
自分で作れるようになりそうですもんね。

【参考情報】

ビジネスパーソンのための契約の教科書 (文春新書 834)

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